Health is Wealth

成人型アトピー完治の記録。主にアトピー、アレルギーについて、実体験からの意見。+美容・健康ネタ。

ステロイド裁判

ネットサーフィンをしていて、偶然、目についた記事がありました。 ステロイド裁判傍聴記という なんだか仰々しい名前で、法学部出身の私としては覗かずにいられずに読んでみました。詳細は>>ここから ステロイドバッシングの頃に、主に書かれたサイトのようでした。 サイト管理者の方自身も、幼少期からのアトピーステロイドと知らずに(その当時は今ほど情報がなかったようです)塗り続け、ステロイドバッシングの頃に、ステロイド外用剤の危険性(私は納得できません)に気付いて、脱ステされたようです。自殺を考えるほどの壮絶な症状の悪化(リバウンドとご本人は記載)を乗り越えて、今は症状が落ち着いているようで、20代にご自身のアトピーの症状が改善せず悪化の一途をたどったのは、ステロイドが原因とお考えのようです。 ちょうど私のアトピーが落ち着いたのと同様に、30代に入ってから、症状があまり出なくなったようです。 なぜ症状が落ち着いたのかはご自身も「わからない」と書いてありました。 でも、ステロイドを止めたこと(脱ステロイド)が改善につながったと考えておられるようで、アトピーの悪化はステロイドのせいという結論に至っているようです。 アンチステロイド派のご意見がいっぱい書かれていました。 もちろん、そのサイト管理者の方が、脱ステで治ったと思っておられるのであれば、それはその人にとって正しい選択肢だったのだと思います。 その方法がその人にとって正解だったのだと思います。私は、脱ステ後の症状の悪化を1ヶ月も耐えられませんでしたので、1年半も先の見えない地獄を味わって耐えたのはすごいことだと思います。 でも、そのことと アトピー悪化の原因がステロイドであって、ステロイドを処方する医師は間違っているというのは同じではないように思いました。 ステロイドは抗炎症剤であって、アトピーを完治させるものではないし、炎症を抑えているだけなのだから治らないのは当然です。やめれば、抑えていた症状が一気に出るのも普通のことのように思います。 アトピーはアレルギーの症状の一つであって、その症状の悪化の原因は、少なくとも塗り薬にあるとは私は思えないです。 ステロイド外用剤の副作用を出さないためのガイドラインに沿った治療や投薬指示がなかったのであれば、そこは問題だと思いますが。 そして、ステロイドアトピー悪化の原因で、それを処方した医師が悪いというような主張を補完するものとして、川崎のステロイド裁判のことが載せてありました。 裁判の方は、結末がかかれていないため不明ですが、ステロイドを顔に塗り続けその副作用に苦しみ、ステロイドの使用法が間違っていることに対しての訴訟のようです。 顔にストロングのステロイド外用剤は、基本的に医師は指示しないと思います。医師からも絶対に顔に塗らないように、と説明されるような気がします。(少なくとも今は説明してくれると思います。そして、私も説明されました。指示を守る守らないは患者の自己責任です) たまに、チューブに顔用、体用と間違いのないように書いてくれてある時もありました。 たしかに、それを顔に塗るように指示をされ、塗り続けた結果、白内障になっていまい、それがステロイドによるものだということが認められるのであれば、医療過誤の可能性もあるのかもしれませんが、それが、ステロイドアトピーを悪化させるという話とは関係ないような気がしてしまいました。 そもそも、私の知識では、白内障ステロイドのせいではなく、アトピーのかゆみで目をひどくこすってしまうことが最も有力な説だったような気がします。そのことも、眼を強くこすると白内障になることがあると、医師から説明された記憶があります。 この訴訟の論点は、最強ランクのステロイドを「顔」への使用として医師が長期に処方したことなのです。 このサイト管理者さんのようなステロイド反対派の「ステロイドアトピー悪化の原因」だという主張とは、争っている論点が違っていると思います。 現在のステロイド論争の発端となったのは、1983年にステロイド訴訟を起こした江崎さんという方のようです。その後、1992年のニュースステーション(今の報道ステーション)で、ステロイドが「悪魔の薬」として報道され、ステロイドバッシングが起こったようです。バッシング鎮静化のため、厚労省ガイドラインをだしたのが1999年です。 ステロイドバッシング真っただ中の頃は、アトピー発症前で、報道なども知りませんでした(最初のステロイド訴訟の頃は私は3歳。ニュースステーションの報道の頃は私は12歳です)。 私がアトピーを発症したのは、1996年です。 少しバッシングが鎮静化し始めた頃のようです。 医師は標準治療を行い、ステロイド外用剤の正しい使い方を説明して、強いステロイドを顔に塗らないように、弱いステロイドでも多量に塗り続けないように管理して、コントロールしてくれていたのだと思います。 それを守らずに、さらに勝手に自己判断で脱ステロイドをして悪化させたのは、全て私の責任です。 私は、ステロイドバッシング騒動など知らず、偶然、目についた「ステロイド依存」という本から脱ステロイドに走り(2000年頃)、2度の壮絶な悪化を経験して、脱ステロイドではアトピーは治らないと自覚し、そもそもアトピー性皮膚炎についての知識不足、ステロイドについての知識不足を後悔して、自分なりに勉強しました。 自分が納得したことを信じて、ステロイドを正しく、上手に使いながら、結果的にはステロイド(プロトピック軟膏は完全に離脱)からほぼ離脱しました。 その経験からステロイドアトピーを悪化させる原因ではないと思っています。 アトピーへのステロイド外用剤の使用について、論争があることは知っていましたが、ここまで根が深いものだとは思っていませんでした。 最近、ブログを書くようになり、アトピー関連のサイトを見る機会が増えて知りました。 ちょっと興味が出たので、江崎さんの裁判についても調べてみようと思います。 ざっと調べた感じでは、最後は和解で終わったようです。 和解=江崎さんの勝訴 と書いているサイトがありましたが、和解は勝訴ではないし、裁判上江崎さんの主張が認められたことにはならないはずで疑問が残りました。